私は、自然における人間の存在をテーマに制作している。無限の時の流れの中、自然のサイクルは絶え間なく繰り返されてゆく。我々人間の存在などこの雄大な自然の中ではほんの一部に過ぎない。

 私は近年、紙を主体に制作を続けている。日本の伝統の紙 -和紙- は自然光を通した時が最も美しい。この明かりと闇の関係は日本の居住空間に昔から生かされてきた。
長い間、様々な素材を使いながら自分の手に最も馴染む自然素材と紙を使った仕事にたどり着いた。和紙に限らず日本、アジア、ヨーロッパ等行く先々で手に入るいろいろな紙、繊維、再生紙を使う。
長い間、様々なかたち(フォルム)を作っているうちにシンプルなかたちにたどり着いた。私は人間の本来持つ原始感覚を呼び覚ますような強くて素朴なかたちが好きだ。作品が私の手から離れ、光と影と共に新たな空間を作り出してゆく瞬間はいつも驚きがある。

紙は限りない可能性を秘めた素材だ。
これからも私は自然素材と紙を組み合わせた仕事を続けながら、自然と共に朽ちてゆくもの -人間の存在と同様な自然の一部としてのArt Work- を表現してゆきたい。