“where do we come from, where are we going to”
– project description –


国内外のアーティスト.イン.レジデンス、シンポジウムなどの活動の中で私が出会い、親しくなった人達を通して国や民族を越えた個々の歴史について知り、理解してゆくのはとても興味深いことである。時間と共に私の中に積み重ねられてゆくこれらの出会いをいつか自分のARTにしてみたいと思っていた。

私は1998年10月よりポーランド国境に近い旧東ドイツMecklenburg州のアーティスト.イン.レジデンスに滞在した。そこで出会った海外からのアーティスト達や地元の人達とのコミュニケーションをきっかけに個々の背後にある歴史、彼らが生きてきた社会の歴史について話を聞き、その後ろ姿を等身大に描いてゆくプロジェクトを始めた。出会った人に同じ「15の質問」をし、母国語または最もfluent(流暢)に話す言葉で答えてもらった。「15の答え」の中にはそれぞれの辿ってきた道、時間が凝縮されていた。それらはとても個人的でありながら歴史や民族の大きな流れを感じさせるものであった。

この後プロジェクトはフィンランド、ブラジル、台湾へと続いた。

レジデンス滞在中に出会う人達に参加してもらう事でプロジェクトは進み、完成する。そこで出来上がった作品は私と共に、違う国、別の土地へ旅をしながら次の展覧会に加えられてゆく。今後も私のライフワークとして様々な土地で続けてゆきたいと思っている。

楡木 令子


国立台北藝術大学・關渡美術館

(台北/台湾 2006/5/5~5/26)


樹火紀念紙文化基金會

(台北/台湾 2006/4/27~9/2)


ヘルシンキ大聖堂

(ヘルシンキ/フィンランド 2001)

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